清水農園のキュウリ

どんなキュウリか
というと
ハウスの中で、土を利用した栽培の
一般的なキュウリです。

心掛けていることは、
素直に元気に育ったキュウリです。

ピンっと伸びた巻きひげ、こんな感じです。

とはいえ、栽培していると色々あります。
日々、試行錯誤です。

取り組み

特別栽培農産物の認証を取得しているので「特別な栽培方法?」と思ってしまいますが、認証の名称です。
実際は一般的に行われている、知られている事を積み重ねて栽培しています。

土を利用した栽培ということで
土を管理しなくてはいけません。

植物の生育を見ていれば分るんじゃないか?
分かる部分もあれば、分からない部分もあります。
知らず知らずの内に栄養に過不足が起きていることも

その為、定期的に土壌診断をして
土壌の化学性を把握しています。
化学性というと難しいですが、土の状態や栄養分です。
その結果でどの肥料をどれくらい施肥するか決めます。

写真は穴を50㎝ほど掘った、土壌の断面です。
トラクターの後ろの(通常の)ロータリで耕すと
15㎝ほどは耕されていて細かいです。
実際見るとイメージより浅い。
その下は、耕されていなく固くなっています。
時より、物理性の確認もします。
栄養診断
キュウリは栽培が長いです。
栽培期間中、肥料の過不足が気になります。
まだ、栽培を始めて20年経たない私には、
観察では分からないことも。
そんな時に栄養診断を行います。

有名なのは稲。葉の色で追肥を決めたりします。
田んぼを見ていると、
田んぼによって葉色の濃淡があるのが分かります。

キュウリの場合、葉柄(葉と茎をつなぐ部分)を搾り
搾り汁を測定する方法があります。
肥料分が多く吸われているのか、少ないのかが分かります。
気になったときに行います。
有機質肥料・堆肥
化学肥料は、製造にエネルギーを消費したり、
限りがある資源を利用しています。
持続可能な社会ということを考えれば、それらの使用を減らして、社会に出ているもので循環させることが大切です。

当農園でも、
有機質肥料(菜種油粕)や豚ぷん堆肥を使用しています。
※ハウス①はリン酸が多い土壌状態なので豚ぷん堆肥は使用していません。
肥料や堆肥・土壌改良剤などは、
何かを製造した副産物であることもあります。
微力ではありますが、
そういったものを利用することで社会の物質循環に貢献出ればと思っています。

天敵の導入
農業は生産効率を上げるために、集約して栽培をすることが多いです。
ハウスの中はキュウリだらけです。
特定の虫や微生物にとっては餌だらけ。侵入を許し、何もしないと爆発的に増殖し収穫量を減らし、時にはキュウリを枯死させます。
農業的に良く言う「病害虫」です。
この対策を大きく分けると、化学的・物理的・生物的・耕種的防除があります。
化学的防除は化学農薬の使用です。効果は高いですが、使いすぎると効かなくなったり、環境面等を考えると使用を減らしていくことが求められます。
そこで近年、生物的防除の一つ天敵の導入が広がっています。
動画にあるのは、カブリダニがハダニの周辺を動き回っている動画です。スワルスキーカブリダニも導入しているので、実はどっちか見分けはついていないのですが・・・。
カブリダニも劇的に効果があるというわけではないですが、増殖を抑えてくれる効果はあると思います。化学農薬を減らす一つの方法で、当農園も導入しています。
防虫ネット
物理的防除の代表、防虫ネットです。
全部完璧に防虫ネットを張っているわけではないですが、
効果は高いと思います。
熱を逃がしたり、ガス交換のためにハウスを開放して外気を中に入れます。その時の侵入を防ぎます。

余談ですが
大きな蛾は絶対入らないだろうと思ていると、ハスモンヨトウムシは防虫ネット上に産卵し、羽化したばかりの幼虫は小さいのでネットをすり抜けて中に侵入しているのを見かけます。
農業って、自分の想像力の小ささを感じる事が多いです。
色がついた粘着テープ
・・・・・ハエ取り紙です。
黄色や青色があって、虫によって好きな色があるようです。
捕獲というのと、どのような虫がいるかの観察面もあります。



耐病性品種の導入
最近では主流になっていますが、病気に強い品種を使っています。確かに以前の品種に比べると楽です。
耕種的防除にあたります。
と、様々な取り組みをしています。
やはり、基本を一つ一つ積み重ねていくのが大切と考え栽培しています。

少し変わったキュウリ

普通のキュウリだけではなく、マイナーなキュウリも2種類栽培してます。少量生産となっています。